素直じゃなくても大丈夫。リスは分かってくれる、という小説:Flora & Ulysses
by Kate DiCamillo
離婚した両親と、少し斜に構えた皮肉屋の一人娘フローラ。お母さんは娘のフローラのことをNatural-born cynic と言います。そしてこのままなら何の化学反応も怒らなさそうなこの3人の家族の中に、隣の家の庭で最新鋭の掃除機に吸い込まれ死にかけたリスという触媒が加わって、物語はおかしくも時々ホロリとくるドラマへと展開していきます。不器用な人間たちの膠着した関係性をなんとかほぐそうと健気に奮闘するリス、ウーリシスがなんとも微笑ましいお話でした。
このウーリシス、喋ることこそできませんが、作家であるお母さんのタイプライターで詩を書くことができます。また、ここぞという時には軽く空を飛ぶこともできます。平和なお話でございます。
余談ですが、私自身はリスは色んなバイ菌を持っているので触らないように、と友人に言われて以来、なんとなくあまりリスに近寄ることができません。鳩も同様です。子供が突然、このリスは他のリスと違うから絶対に家で飼いたいのである!とか言い出したら困るなぁ、とどこかで思いながらストーリーを追いかけていました。