不倫がやたらと叩かれる昨今ですが...小説:Monogamy
by Sue Miller
舞台はマサチューセッツ州ケンブリッジ。ハーバード近くの本屋を経営する夫グラハムと妻で写真家のアニー。パーティー好きのグラハムは社交的で二人は誰から見ても素敵な夫婦だった。しかしグラハムが突然亡くなり、その後に分かった事実から残されたアニーは複雑な思いを処理しきれず。。。
特段、大きなドラマがあるわけではないのですが、長く一緒にいた夫婦のどちらか一方が突然亡くなった時に、残された方にどういう感情が湧いて来てどんな風にそれを受け入れていくのか、という部分が穏やかで丁寧な視線で描かれていていい読後感が得られました。
身近な誰かが亡くなった時、純粋に悲しみにくれることが時に難しいこともあり、一つのことがきっかけでそういえばあの時もこうだったこの時もこうだった、と思い巡らしてしまって自分のことさえ嫌になる時があること、なんとなく想像がつきます。
この小説の中では、自分の現在の生活空間と近い街や通りの名前が出て来て、登場人物の生活が割とリアルに想像できてそういう意味でも楽しめました。