小説:Where the crawdads sing
by Delia Owens
私が参加させてもらっているブッククラブでこの本がテーマに上がったのはおそらく1年前くらいなのですが、その時は全く読破できず、今回のコロナ による自宅軟禁生活になってようやく読めた一作。2019年中、ずっとベストセラーリストの上位に挙げられていた本です。
野生生物の研究者である著者が初めてフィクションを描いたもので、ノースカロライナの海沿いの湿地帯を舞台とした孤独な少女カヤのお話。物語は1969年に一人の男性の遺体がこの湿地帯で発見されるところから始まるのですが、本当の物語は1952年に湿地帯に住む小さな女の子カヤがお母さんに置いて行かれ、やがて一人で生活しなければならなくなるところからスタートしています。お話はカヤの生い立ちと現在を行ったり来たりしながら、彼女が孤独な環境の中でどうやって生きてきたかが描かれています。
ただただ、美しく悲しいお話でした。私は本とオーディオブックの両方を試してみましたが、オーディオブックのナレーションがとても素敵だったのでおすすめです。50年代、60年代のアメリカのリアリティってこんな感じだったのかな、ということも垣間見られ、なんとも言えない読後感が味わえました。